テランブログ

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【フェルメール《小路》】 レンガブロックの遊び方。現実と絵の間の世界。

いいねぇこのレンガ!

色がいいし、いぶした感じがあって、しぶい雰囲気がただよってるよ。

なんだろうねこの不思議な感じ。

かたそうなものと柔らかそうなものが隣り合わせというか、混ざっちゃってるんだよね。

これはうまく組み立てないと。

 

 レンガブロックの遊び方。現実と絵の間の世界。

 

いい赤茶色だ。

いかにもそこにあるって感じで。

当時フェルメールはここから見てたんだろうけど、よくもまぁこんなに真正面から見れて、キャンヴァスと見事に平行に切り取ったというか描きとったというか。

欲しい風景だけここに持ってきたって感じ。

 

右の家のレンガ、継目があって小さなブロックでできてるのが分かるし、曲線のアーチ部分も見えて構造が意識されてるなぁ。

たぶん修理跡もあり窓もちょっと疲れてて、なかなか年月を経た建物かもしれない。

あんなに綺麗なお部屋を描く人なのに、この絵では朽ちたような部分もかくんだね。

 

下の部分は白くて塗られて…… これは本当にあったんだろうか?

入口の赤い開き戸とか人の姿が際立つように変更していたりしないだろうか。左のお家に白いところにサインもあるし。

全体を見るとちょいと色が足りない国旗というか、ホイップクリームの入ったパフェとか飲み物とか… 鮮やかでないんだけど何となく美味しそう。

でもこの白部分が黄ばんでたりはするんだよなぁ。

 

向こうに行くにつれ、低い三角形の家がいくつか見えて。空にはちょっとした雨雲も見えて。どうやらこの空と雲を描くために建物の高さを調整した、低くしたという噂があるんだよね。

たしかに絵的には今の方が面白い。

 

何人かややカラフルな人が見える。

ここで暮らした人たちだ。誰も顔はよく見えないけど、みんな何かに熱中しているよ。

右の家の入口で座る女性はたぶん裁縫だね。細かな作業で明るい光がいるから外に出てきてるんだ。すぐそこで2人の子供が遊んでる。市松模様のタイルにお絵描きしてるんじゃないかな。この道から見える奥のスペースでは女性がたぶんお掃除してるね。

時間が経って朽ちた部分も目の前にあったから描いてるけど、少し汚れてるように見えてこの道はたぶんすごい綺麗なんだよ。お掃除しているし、家の清潔、街の清潔は、国の安全にもつながってたから。

 

みんな没頭していて、それを描くフェルメールもこの小路で没頭していて。

 

家のかたちが特徴的。三角や四角。窓も四角。入口には半円形もあり。人と雲は丸かったりで曲線があって。左の家をつたう植物は… 青と白のお花が咲いてるかもしれないなぁ。これも突然の有機物。

この対照が、絵に微妙な不思議さと面白みをだしてるよね。

 

 

四角と三角と少しの丸のレンガブロックを組み立てて組み合わせて。

立体的にはブロック遊び。

でも正面はパズルみたいだね。

 

この道をどれだけの人が歩いただろう。

馬や他の動物の足音も聞こえてきそうだ。

 

面白くて不思議な絵。

50cmくらいのこんなに小さくて。

動く窓というか、持って帰りたいくらいよくできた小さな現実。

 

赤茶色の割合が絶妙だ。

絵と現実の間って感じかな。

 

 

 

作品: ヨハネス・フェルメール 《小路》 1658年頃、54.3 × 44.0 cm、アムステルダム国立美術館